太陽・地球・生態系と時間治療研究会

Workshop on Chronoastrobiology and Chronotherapy

第4回研究会長ご挨拶

聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 神経内科 加茂 力


 地球誕生から原始的な微生物の誕生を経て、現在の生態系までの進化において、人は日中に直立歩行し、夜間は臥床して睡眠をとる行動様式を獲得しました。この行動様式をもつ人には他の生物と同様に内在する生体リズムを有し、時計遺伝子により制御されています。地球上で長い年月を掛けて適応してきた生命維持システムをもつ人が、宇宙空間に飛び出した場合どのような変化が起こるのでしょうか。

 人が進化したが故に、認識できなくなった地球環境の変化があります。地磁気、重力あるいは電磁波といった地球環境の変化が人の生体リズムに、また疾患にどのような影響を及ぼすのか、という問題をテーマにこの研究会で活発な発表がありました。人が宇宙空間で生活することは、まさに微小重力、宇宙放射線の直接的な影響を受けます。すなわち、人が地球環境に適応してきた過程を早戻しする現象が観察されるはずです。近い将来に完成が予定されている国際宇宙ステーションではこれらの問題を解決するため、多くの宇宙医学の実験が企画され実施されています。

 第4回の研究会では、宇宙空間と生体変化、非線形・複雑系医学をテーマに開催したいと考えております。本研究会にご興味のある方々、また最新の知見をお持ちの方々のご参加とご発表をお待ちしております。

 2月1日にスペースシャトル「コロンビア」の悲しい事故の報道がありました。しかし、アメリカはこの事故を乗り越え、不屈の精神で宇宙開発の継続を表明しています。私も非線形で複雑な生命現象の問題を解明するために、また、この研究会の目的に深く関係する多くの宇宙医学研究が継続されることを期待しております。


第4回研究会世話人

加茂 力(聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 神経内科)