太陽・地球・生態系と時間治療研究会

Workshop on Chronoastrobiology and Chronotherapy

第1回研究会長ご挨拶

東京女子医大第二病院内科 大塚邦明


 生命現象には生体リズムが存在します。生体リズムは、すべて時計遺伝子機構により発振されています。時計遺伝子は、生態系を介してヒトが長年をかけて宇宙に適応した結果の所産と考えられています。適正な生体リズムを保つことは、QOLの改善のための大きな要因であるだけではなく、疾病予後・生命予後にも影響する要素であると考えられています。

 「宇宙活動・生態系と生命現象」との関連性を、真摯に科学的に追求することにより、従来の方法論とは異なった「疾病の姿」が見えてくるのではないかと期待いたします。宇宙との関わりには、生体リズムだけではなく、無重力の影響、地磁気をはじめとする光以外の電磁波の影響、衛生問題等、様々な要因があります。これらの要因の全てと生態系・生命現象・疾病との関わりを観察し、討論し、考察して行くことがこの研究会の目的です。

 時計遺伝子の発見とともに、時間生物学の概念は、医科学・臨床医学の新しい分野として、ほぼ定着いたしました。これからは時間生物学を念頭に置いた治療、時間治療学の発展が課題とされます。そこで本研究会では、治療効果を最大にし、副作用を最小にとどめるための時間治療、あるいは、必要な時間帯に濃厚な治療を、そして治療を要しない時間帯には治療をできるだけ施さないと言った、時間治療の概念を啓発することをもう1つの目的にしています。

 この分野の過去・現在・未来を、概説文「太陽・地球・生態系と時間治療」に紹介しています。御一読下さい。

 この研究会の発展のために、どうぞ多くの方々がご参加下さりますことを期待いたします。


第1回研究会世話人

大塚邦明(東京女子医科大学附属第二病院内科)

E-mail: frtotk99@ba2.so-net.ne.jp